モニタソフト FanduinaV3

FanduinaV3の主な機能

  • 4台までのAVR-Fanconの動作状態(温度、回転数、Duty)を同時に表示、監視(アラーム)、記録(ログ)
  • AVR-Fanconの制御パラメータの設定(ファイルへのエクスポート、インポート機能も装備)
  • 外部ソフトによるファームウェアの書込み(Rev4.0、Rev5.0、Rev7.0はFanduineW1、Rev6.0、9.0はFLIPを起動)
  • 代用温度計(ソフトウェアによる温度取得)によるAVR-Fanconの制御
  • USB-HIDクラスに対応(Rev6.0, 8.0, 9.0用)

1.インストール

 モニタソフトFanduinaV3を使用するにはUSBドライバーおよび実行ファイルが必要です。 ダウンロードページから取得してしてください。

USBドライバーのインストール

 Rev6.0(F6.6以降のHID版)、Rev8.0およびRev9.0は、HID(ヒューマンインターフェースデバイス)ですので、ドライバは不要です。
 Rev3.0からRev7.0では、FanduinoをUSB経由でPCに接続するとドライバを要求されますので、インストールしてください。
Rev1.0~5.0、7.0は、FT232RL用のD2XXドライバをインストールします。
Rev6.0(F6.5以前のCOM版)は、ATmega32U4のUSB_CDCドライバとしてFanduinoUFO_cdc.infを指定します。

モニタソフトFanduinaV3のインストール

 FanduinaV3は、WindowsXP、Windows7-32/64bitおよびWindows8/10-64bitでの動作を確認済みです。
 なお、Windows7以前のOSはあらかじめ .NET framework4.0をインストールしておいてください。


 アーカイブを展開し、フォルダを適当な所に置いてください。
 FanduinaV3CS.exeのショートカットを作成し、デスクトップやスタートメニュー等に置いてください。これでインストールは完了です。
 なお、同時に複数個起動させたい場合は、フォルダを起動個数分だけ用意してください。

[FanduinaV3のアンインストール]
 レジストリは使用していないので、フォルダおよびショートカットを削除してください。

2.FanduinaV3の起動とAVR-Fanconへの接続

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: SidePanelShrink.jpg

 FanduinaV3CS.exeのアイコンをダブルクリックして起動すると、右のような表示画面(以降サイドパネルと呼びます)が現れます。

FanduinaV3CS.exe

 また、タスクバーの通知領域にアイコン(以降タスクトレイアイコンと呼びます)が表示されます。
 サイドパネルまたはタスクトレイアイコンを右クリックし、メニューから「ファンコン設定」を選ぶと、接続ダイアログ(FanduinoConnect)が表示されます。「ファンコン設定」では「0~3」の4台から任意のController番号を選択して、そのControllerにAVR-Fanconが接続されているポートを対応させます。下の例のように、最初はポートが「off」になっていますので、コンボボックスから適切なポート(COM*またはHID*)を選んで、「接続」ボタンをクリックしてください。

 COM番号は、デバイスマネージャーのポートにあるUSB Serial Portの番号です。HID番号はRev8.0のAVRに張ってあるシールの番号です。なお、AVR-Fanconが1台でController0に接続した場合、残りのController1~3のポートは「off」にしておいてください。
 FanduinoConnectの「設定」ボタンは、アラームやログなどを設定するダイアログ(FanduinoSettings)を呼び出すためのもので、使い方は後述します。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Device.jpg

(仮想ファンコンへの接続)

 V3.30からは、AVR-Fancon (Fanduino) を接続していなくても、仮想ファンコン(ViRTual fancon)を選択して、動作をシミュレーションすることができるようになっています。
 ポート選択で「VRT*」(*はController番号です)を選ぶと、Rev7.0相当の仮想ファンコンを模擬できます。仮想ファンコンにおいても、実機を接続した場合とほぼ同等の機能を体験でき、Fanの回転数は乱数を使って揺らぎを再現しています。

 代用温度計も利用できますので、後述するサイドパネルへの表示設定を利用すれば、AVR-Fanconが接続されていなくても、OpenHardwareMonitorやCoreTempから取得した温度データをサイドパネルにまとめて表示することが可能となります。

 なお、仮想ファンコンへはファームウェアの書込みはできません。

3.サイドパネルの表示設定

 サイドパネルには、最大でファン24台、温度計16台までを表示することができます。表示台数は右の設定ダイアログ(SidePanelSettings)で設定できます。

(1)SidePanelSettings

 SidePanelSettingsは、サイドパネルを右クリックして「パネル表示設定」を選択すると表示され、ファンや温度計の個数、パネルの機能、表示フォントや表示色の属性を設定できます。設定後に ”OK” または ”適用” ボタンをクリックすると有効になります。

<表示個数>
SidePanelに表示するファンや温度計の個数を設定します。
<パネルの機能>
”マウスオーバーで非表示” 機能とは、マウスがSidePanelに入った場合、一時的にSidePanelを非表示にするもので、SidePanelに隠れていた画面にアクセスするのに有用な機能です。
なお、この機能が有効な時にSidePanelにアクセスするには、Ctrlキーを併用してください。
<フォント>
SidePanelに表示するファンおよび温度の文字フォントを指定します。
ただし、タイトル(Fan、rpm、Temp、℃など)および棒グラフ内のDuty値のフォントは変えられない仕様です。
<ファン表示色>
SidePanelに表示するファンの色属性を指定します。
”温度と同色” を選ぶと、ファン制御に使用している温度計と同色で表示できます。
<温度表示色>
SidePanelに表示する温度の色属性を指定します。
個々の温度計ごとに表示色を変えたい場合は、”個別設定”を選択しておいてください。

(2)サイドパネル(SidePanel)

 サイドパネルに表示するファンや温度計は、下の画面のように名称部分を左クリックし、Controller番号およびファン・温度計番号を選んでください。対応するデータ(回転数・温度)をその場所に表示するようになります。
 また、「色の変更」を選択して表示色を変えられますが、あらかじめSidePanelSettingsで表示色の「個別設定」を有効にしておく必要があります。

4.AVR-Fanconの個別設定

 FanduinaV3では、アラームやログ記録などを最大4台のAVR-Fanconを1台ごとに設定することができます。
 接続ダイアログ(FanduinoConnect)の「設定」ボタンをクリックすると、右のような設定ダイアログ(FanduinoSettings)が表示されます。FanduinoSettingsが各AVR-Fanconごとに1画面ずつありますので、4つのFanduinoConnectで「設定」ボタンを押すと同時に4画面分が表示されます。区別するには左下のController番号を見てください。

(1)アラーム設定

 温度過昇およびファン停止を監視し、異常時には音やバルーン(タスクトレイ)で通知します。
 監視対象の温度計名称またはファン名称のチェックボックスをクリックしておいてください。
 温度監視は、”設定温度”の超過が ”設定時間”以上継続した場合に通知します。
 ファン監視は、Dutyがゼロでない(つまりファンに給電されている)のに回転数がゼロとなった場合に通知します。
 なお、FanduinaV3を起動していない時はアラーム機能は働かないので注意してください。

(2)ログ設定

 ファンの回転数(rpm)、制御出力Duty(%) および温度(℃)を一定間隔で記録します。
 ”ログを記録する”にチェックを入れ、記録間隔を設定後、”適用”ボタンをクリックして設定してください。
 ログファイルは1日1ファイルで、LogFilesフォルダに ”Log-西暦-月-日-ファンコン番号-ファーム番号.txt” という名称で保存、日の途中で停止・起動を繰り返しても、前のデータは消されずに追記されます。
 記録は、”現在のログ” または ”過去のログ” を選択すると画面中央に表形式で表示できます。
また、最新の値を表示するには表示更新ボタンをクリックします。
 なお、FanduinaV3を起動していない時はログ機能は働かないので注意してください。

(3)制御パラメータ書込

 ファンコン内部に保持されている制御用のパラメータを書替える機能です。

パラメータの意味は次のとおりです。
<ファン制御パラメータ>

  • 温度(℃)がTmin以下では、制御出力Duty(%)がDminとなり、Tmax以上で、制御出力(%)はDmaxになる。TminからTmaxの間ではリニアに変化。
  • Tstopはファンを停止する温度で、温度がTstopまで低下するとFanが停止し、Tmin以上になるとファンが再起動。(低温時Fan停止機能、以下CSFと呼ぶ)
  • Thm#は、ファンを制御するサーミスタ(温度計)の番号(1~4)。重複設定も可能で、例えば4つのThm#を全て1にするとサーミスタ1の温度で全てのファンを制御。Rev6.0およびRev9.0では、Thm#を0に設定すると温度センサーの中の最高温度を使用して制御可能。(最高温度使用機能は、F6.70以降、F9.10以降で有効です。)
  • Manualは、ファンコンの制御出力Duty(%)を固定値に設定する機能。チェックボックスをチェックすると手動設定が有効になる。なお、Manualにチェックが入っていなくても、ManualのDuty値はCSFからファンが再起動する時の初期制御値として使われている。
  • Dutyのスライドバーを左右に動かすと、ファンコンを一時的に手動制御に切替え、Tachにその時の回転数が表示される。

設定値は、画面右下の”ファンコンへ書込み”ボタンをクリックするとファンコンに書込まれます。一度書き込んでおけば、FanduinaV3を終了してもファンコン機能は動作し続けます。(PCを再起動しても設定は消えません)

(例)Tmin=30 @ Dmin=30、Tmax=55 @ Dmax=100 、Tstop=20の場合

温度計の温度がTmin(30℃)以下ならDutyはDmin(30%)で一定、Tmax(55℃)以上ではDutyがDmax(100%)で一定、温度が30℃から55℃までは、Dutyは30%から100%の間で直線的に変化。
Duty%はFanへの供給電圧にほぼ比例。温度がTstop(20℃)以下になると、ファンは停止(Duty=0%)し、Tmin(30℃)以上になると再起動。

(Rev4.0/Rev5.0でファームバージョンがF*.5以前の場合)
 Fan3、3-2、4、4-2で低温時Fan停止機能を使えますが、Temp-stopを設定することはできません。(Temp-stopはTemp-minよりも常に5℃低い温度になります。)
 また、Fan1および2は安全のため低温時Fan停止機能を使えないようにしてありますので、温度が低下してもDuty-minのまま動作し続けます。

<温度計名称>

  • AVR-Fanconに接続されるサーミスタ温度計の名称を半角6文字以内の英数字で入力します。

<拡張温度計> 

  • 拡張温度計はFanduinaV3.40で追加された機能で、AVR-FanconのRev6.0はF6.80以降、Rev7.0はF7.30以降、Rev9.0はF9.20以降で有効となります。
  • 拡張温度計Thm5/6の温度は、サーミスタ温度計Thm1~Thm4の値を使って以下のように算出します。

 Thm5/6の値は、Thm1~Thm4の加重平均値ThmAveと,ThmHigherで選択した温度計の値の中で最も高いものとなります。

  Thm5/6 = Max ( ThmAve, Thm1, Thm2, Thm3, Thm4 )

 加重平均の重み係数は、ThmWeightに0~100を入力して指定します。Thm1~Thm4の重み係数の合計が100でない場合は厳密には加重平均値とはなりません。

  ThmAve = Σ(Thm#Weight * Thm#Temp) /100

すべての係数Thm#Weightがゼロのときは、ThmAveはゼロになります。

(4)代用温度計

 ファンコンに接続されている温度センサーの代わりに、FanduinaV3から温度情報(代用温度)を10秒ごとにAVR-Fanconに送信して制御する機能です。

 代用温度として、他のファンコンに接続されているセンサーの温度、PCで計測したHDD・GPU温度、外部プログラムCoreTemp、SpeedFanまたはOpenHardwareMonitorから取得した温度を使用可能です。
HDDはS.M.A.R.T.機能に対応したもの、GPUはRadeonまたはGeForceの比較的新しいものにのみ対応です。
CPUやマザーボードの温度を取得するには外部プログラムのCoreTemp、SpeedFanやOpenHardwareMonitorを別途インストールしておく必要があります。
ラジオボタンで種類を選択後、右側のボックスから使用するチャンネル等を選んで”適用”ボタンをクリックしてください。
HDDの初回選択時は、温度取得に数秒かかりフリーズしたように見えますが、異常ではありません。

 また、V3.40から追加した拡張温度計にも代用温度計を適用できます。
 なお、代用温度計を利用するには、FanduinaV3を管理者として実行する必要があるとともに、起動していない時は代用温度計機能は働かないので注意してください。


(V2からの変更)
 FanduinaV2ではCPU温度計測に外部プログラムは不要でしたが、そこで利用させていただいていたWinRing0(ひよひよ氏作)が公開終了となりましたので、CoreTempの利用に切り替えました。
ひよひよ氏には、有用なプログラムを長らく利用させてくださいましたことを感謝いたします。

5.現在値の保存

 SidePanelに表示されているデータをテキスト形式のファイル(FanduinaV3.txt)として保存します。
 保存間隔の秒数および保存先のフォルダを右のような画面で設定します。
 保存先をSkyDriveのようなクラウドとの同期フォルダにすると、外出先からスマートフォンなど現在のデータ(温度・回転数)を確認することができます。ただし、クラウドサーバとの同期に数秒かかりますから、保存間隔は同期時間を考慮して設定してください。

6.タスクトレイ(通知領域)アイコン・タスクバーボタンへの温度表示

 V3.30からは、タスクトレイとタスクバーボタンのアイコンに温度を重ね合わせて表示する機能を追加しました。

[アイコンに表示する温度の選択]
 タスクトレイ(通知領域)のアイコンを右クリックして、「アイコン温度表示」から表示したい温度名称を選択してください。複数選択時は、3秒ごとに上から順に表示切替します。
 表示間隔を変更したいときは、Settings\Settings.xmlファイルをメモ帳で開いて、
  <tempIconOverlayInterval>3000</tempIconOverlayInterval>
の数値(ミリ秒単位)を書き換えてください。書き換えは、FanduinaV3の停止中に行ってください。

[タスクバーボタンへの温度表示]
 タスクバーボタンのアイコンに温度を表示するには、タスクトレイ(通知領域)のアイコンを右クリックして、「タスクバーへの表示」で「ON」を選択してください。
 ただし、Windows7/8では、タスクバーボタンにラベルが表示できるように設定していないと、温度を表示できません。タスクバーの設定変更方法は、以下のとおりです。

  • タスクバーの何もないところで右クリックし、「プロパティ」を選択
  • 「タスクバーのボタン(B)」で、「タスクバーに入りきらない場合に結合」を選択して「OK」

 これでタスクバーボタンに温度表示できるようになり、合わせてラベルに温度計名称が表示されます。
 タスクバーボタンが長すぎるときは、レジストリを変更すれば短くできますが、ここでは省略します。(「Windows7 MinWidth タスクバー」で検索してみてください)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: FanduinaV3.30_newfunc2.jpg
タスクトレイ・タスクバーに表示する温度の選択タスクバーボタンへの表示の選択Windows8の表示例

Windows7/8のタスクバーボタンにラベルを表示しない設定で、いろいろ試したのですが、温度表示できたりできなかったりと不安定だったため、今のところラベル表示時のみの仕様としています。

7.カスタマイズ

[ウインドウ枠]
 Settingsフォルダ内にあるBack.gifおよびLogo.bmpを他の画像に差し替えることにより、ウインドウ枠をカスタマイズできます。
なお、画像の左上隅のピクセル色は透明色として扱われます。この色を表示スペースの背景色にすると、表示スペースも透明になります。

[アラーム音]
 温度超過等のアラームを音で知らせる場合、Settingsフォルダ内にあるchime01.wavおよびchime02.wavを他の音声ファイルに差し替えることにより、カスタマイズできます。

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