良くある質問(FAQ)

1.ハードウェア

Q1 降圧形チョッパ式電圧可変制御とは何ですか?
 電源電圧よりも低い直流電圧を得るために、電源をトランジスタ(MOSFET)でON/OFF(チョッパ)した後に平滑回路で波形を均す方式で、一般的なスイッチング電源に利用されています。例えば、12V電源からON/OFFの時間を等しくした(Duty=50%)降圧チョッパ回路を通すと、約6Vの直流を得ることができます。

Q2 PWM制御ではないのですか? 
 AVR-FanconRev2.0以降は降圧チョッパのON/OFF信号としてPWM制御を使用していますが、ファンは直流電圧を供給しています。
 なお、Rev6.0のFan1およびRev9.0のFan4~6は4ピンのPWMファンを接続することができます。

Q3 電流が0.5Aを超えるファンや水冷ポンプを接続することは可能ですか? 
 コイルやMOSFETなどの制約から上限を0.5Aとしていますが、これらの部品を変更したりヒートシンクで冷却すれば、1.5A程度までなら使えることを確認しています。詳しくは作者にご相談ください。

Q4 電流が小さい(0.1A未満)ファンを使うと、Duty比を30%にしても回転数が30%まで下がりません 
 標準では、0.2A程度のファンで最適になるようにコイル等の部品を選定してあります。このため、低消費電流のファンでは、回転数を50%程度までは下げられますが、それ以下ではDuty比どおりに下げることができません。必要があれば、コイル定数を変更して対応できますので、作者までお問い合わせください。
なお、Rev9.0ではコイル定数とPWM周波数が他のRevと異なり、対応できる電流範囲が広くなっています。詳しくはRev9.0の仕様をご覧ください。

Q5 2ピンファンを接続することはできますか? 
 最新ファームなら回転センサのない2ピンファンでも使用可能です。ただし、モニタソフトFanduinoV3を使用して、手動のDutyを0%としてAVR-Fanconに書込んでください。(手動設定のチェックボックスは外しておきます)
なお、2ピンファンでは回転数を検出できないので、回転数表示は0rpmになり、Fan停止アラームも使えません。

Q6 4ピンのPWMファンを接続することはできますか? 
 4ピンファンでも使えますが、PWM制御ではなく電圧制御になります。なお、Rev6.0のFan1およびRev9.0のFan4~6は4ピンのPWMファンを接続してPWM制御とすることができます。

Q7 ファン再起動時に全速で回って五月蝿いです 
 最新ファームでは再起動時の供給電圧を低く設定することができます。モニタソフトFanduinoV3を使用して、手動のDutyを調節しAVR-Fanconに書込んでください。(手動設定のチェックボックスは外しておきます)

Q8 ファンが停止と再起動を繰り返すのですが、異常ですか? 
 ファンに供給する電圧が低すぎる場合に生じる現象です。制御パラメータのDminを大きくしてください。Dminは少なくとも30%以上(電圧では約4V)とし、ファンによってはそれよりも大きくする必要があります。

Q9 ファンを制御する温度センサーは固定チャンネルですか? 
 固定ではありません。制御パラメータのThm#を設定することで、どの温度センサーの値を使って制御するのかを選択できます。

Q10 温度センサーはどのように取り付ければよいですか? 
 測定したい部位に市販の耐熱テープで貼り付けます。耐熱テープはカプトンテープやポリイミドテープが有名ですが、作者はハンズで入手した3Mのガラスクロステープ#361(800円/3m)を使用しています。
 CPUに取り付ける時は、CPUとヒートシンクの間に挟まないように気をつけてください。

Q11 温度センサーを全て接続しないといけませんか? 
 全てを接続する必要はありません。接続してある温度センサーのチャンネルに制御パラメータのThm#を設定してください。
 また、代用温度計機能を利用すれば温度センサーは不要ですが、PCとAVR-Fanconの通信が15秒以上途絶えた時の対策として、該当する温度センサーの接続端子をジャンパで短絡しておいてください。99℃とみなされます。
 なお、Rev8.0およびRev9.0は、端子を開放した場合に99℃とみなすようになっています。

Q12 USBケーブルを常に接続しないといけませんか? 
 モニタソフトFanduinaV3の機能を使わなければ、接続しておく必要はありません。AVR-Fanconは自律的に動作します。

Q13 回路がショートした場合の対策はしてありますか? 
 ファンの故障などによる短絡保護のため、ポリスイッチなどの自己復帰形ヒューズを備えています。

Q14 複数台のAVR-Fanconを接続できますか? 
 何台でも使用可能ですが、それぞれは独立しているので、通常は温度センサーを各々接続する必要があります。
 なお、モニタソフトFanduinaV3は、同時に4台までのAVR-Fanconに対応し、あるAVR-Fanconで計測した温度を別のAVR-Fanconでも利用できる機能を搭載しました。

Q15 Rev6.0のFan1に複数のPWMファンを接続すると制御ができません 
 PWM信号をファンに伝える回路の抵抗値が大きい(4.7kΩ)ためです。並列に1kΩの抵抗をハンダ付けすれば問題は解消します。
 なお、通常、1つのコネクタには1台のファンを接続してください。

2.ファームウェア

Q1 64bit版Windowsで、Rev6.0の書込ソフトFLIPからAVRを認識させるにはどうすればよいですか?
 64bitのWindowsに対応したドライバが必要です。FLIP用の64bitドライバがありますので、当面ここに置いておきます。
 AVR-Freaksからの転載なので、できれば本家からダウンロードして下さい。(無料登録が必要になります)
 64bit用の署名済みのドライバですので、以下のとおりインストールしてください。

  1. amd64フォルダ内のlibusb0.dllをWindows\syswow64およびWindows\system32にコピー
  2. amd64フォルダ内のlibusb0.sysをWindows\system32\driversにコピー
  3. デバイスマネージャでRev6.0が不明なデバイスになっているはずなので、ドライバの更新を行う。このとき、ダウンロードしたatmel-flip-3.4.2-signed-driverフォルダ内のatmel_flip.infを指定する

 なお、2013年1月時点では、Windows8は標準ドライバで認識できています。

Q2 Rev8.0のAVR(tiny85)にファームウェアを書き込むにはどうすればよいですか? 
 Rev8.0はオンボードでのファーム書込みができませんので、AVRを一旦取り外してライターを使って書き込みます。
ダウンロードのページに専用書込み器の回路図等を用意しましたので、参考にしてください。

Q3 Rev3.0のAVR(mega88)のファームウェアを書き換えるにはどうすればよいですか?
 Rev3.0はUSBから直接ファームを書き込むことができません。ライター接続用のピンヘッドを装備していますので、純正ライターやFT232RL秋月基板AE-UM232R を利用したライターなどで書き込みます。

Q4 ファームウェアや制御パラメータの書換えは何度でも可能ですか? 
 ファームはAVRのFlashメモリに格納しますが、書換えは1000回まで保証されているようです。また、制御パラメータを保存しているEEPROMの書換え可能回数は10万回とのことです。

3.ソフトウェア

Q1 FanduinaV2・V3の代用温度計機能を使いたいのですが、CPU温度を測ることができません
 代用温度計機能を使用するには、アドミニストレータ権限が必要です。WindowsVista、Windows7/8ではFanduinaV2・V3のショートカットを右クリックしてプロパティを表示し、互換性タブのなかにある「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れてください。
なお、温度を計測可能なCPUは、Intel:CoreSolo以降(Pentium4/Dは不可)、AMD:Athlon64以降です。

 また、FanduinaV3では、CoreTemp(http://www.alcpu.com/CoreTemp/)やOpenHardwareMonitorというフリーソフトを利用してCPU温度を計測しますます。予めインストールしておいてください。

Q2 Windows7・Vistaでスタートアップに登録し管理者として実行すると、毎回確認画面が出て煩わしいのですが 
 PC起動時にFanduinaV3を起動するようにタスクスケジューラで設定すれば、ユーザーアカウント制御(UAC)の確認画面は表示されません。

Q3 タスクスケジューラの設定はどのようにすればよいですか? 
・[コントロールパネル]-[管理ツール]-[タスクスケジューラ]で起動します。
・[タスクの作成]を選択して、スケジュールを設定します。なお、代用温度計機能を使うには、[最上級の特権で実行する]項目をチェックしておいて下さい。
・次に[トリガー]タブで[新規]ボタンを選択し、タスク開始のタイミングを設定します。
・続いて、[操作]タブで[新規]ボタンを選択して、実行する内容を設定します。
 プログラム/スクリプトにはFanduinaV3CS.exeを参照ボタンにより設定してください。
 また、開始(オプション)には、作業フォルダとして、FanduinaV3CS.exeのあるフォルダを設定してください。
・最後に、[条件]タブはすべてのチェックボックスを非選択にし、[設定]タブでは[タスクを要求時に実行する]のみ選択、それ以外を非選択にします。
これで、FanduinaV3をUACに邪魔されずにログオン後30秒で自動起動できます。

Q4 FanduinaV2は日本語のWindowsでしか使えませんか?
 FanduinaV2.7までは日本語表示のみでしたが、V2.8からは英語表示も可能になります。日本語Windowsでもコントロールパネルの「地域と言語」で日本語(日本)以外を選択しておけば、英語表示になります。FanduinaV3は最初から英語・日本語の両対応です。ただしOSは、WindowsXP以降で、.Net Framework4.0のインストールが必要です。

Q5 Linuxでは使えませんか? 
 Linux用にFanduinaV3.0MDを用意しています。ただし、ubuntu11.04版しか動作確認していません。

Q6 古いバージョンの表示設定を新バージョンに引き継ぐことはできませんか?
 可能です。例えばFanduinaV2.73の設定は、
Windows7・Vistaの場合、C:¥Users¥ユーザー名¥AppData\Local¥個人¥FanduinaV2.exe_Url_******¥2.7.3.0¥user.config、
WindowsXPの場合、C:¥Documents and Settings¥ユーザー名¥Local Settings¥Application Data¥個人¥FanduinaV2.exe_Url_******¥2.7.3.0¥user.config
に保存されています。2.7.3.0がV2.73の設定保存フォルダで、user.configが設定ファイルです。なお、¥は半角文字、ユーザー名はログイン名、******は非常に長い文字列です。また、V2.80以降は”個人”の代わりに”personal”となっています。
新しいバージョンのFanduinaV2.74をインストールし起動・正常終了すると、設定保存フォルダ(¥FanduinaV2.exe_Url_******¥2.7.4.0)とその中に設定ファイル(user.config)ができます。
バージョンアップ時は、前のuser.configを新しいフォルダのuser.configに上書きしてやれば、設定情報などを引き継げます。ただし、新旧で互換性のある機能だけです。

 FanduinaV3では、Settingsフォルダ中のSettings.xmlファイルをコピーすることで、FanduinaV2よりも容易に表示設定を引き継ぐことができます。

Q7 PCをスリープから復帰すると、FanduinaV3でAVR-Fanconの情報を表示できないのですが、異常でしょうか? 
 USBチップFT232RLのドライバを最新のものに替えてください。古いドライバではではこのようなバグがありましたが、現在は修正されています。

Q8 FanduinaV2は、タスクトレイアイコンから「表示」を選択すると、画面が左上に移動するのは仕様ですか? 
 ディスプレイの解像度を変更した時に、表示画面を見失ってしまうことへの対策として、このような仕様にしています。
 なお、FanduinaV3ではディスプレイ内の近い場所に表示するように仕様を変更しました。

Q9 表示画面の枠のデザインやアラーム音が気に入らないのですが、変えられませんか?
 FanduinaV2のフォルダ内にあるファイルを差し替えれば、カスタマイズできます。枠のデザインはFrameForm1.bmp~FrameForm3.bmp、アラーム音はchime01.wavとchime02.wavです。なお、FanduinaV3では枠のデザインはBack.gifファイルです。

Q10 複数台のAVR-Fanconを使うにはどうすればよいですか? 
 FanduinaV3は、同時に4台までのAVR-Fanconの情報を表示できます。それ以上のAVR-Fanconを扱うには、FanduinaV3のフォルダを分けて別々に起動してください。

4.その他

Q1 在庫切れのRevは待っていれば入手できますか?
 在庫切れのものを入手するのは、ほぼ不可能です。作者は自分の趣味と実益を兼ねて作っていますので、過去に作ったもののコピーを作る気にはなれません。

Q2 ハンダ付けが苦手なのですが、完成品はありませんか?
 キットの組立をご依頼下されば、少額の実費でお受けいたしております。

Q3 保証は何年ですか? 
 組立代行したものについて、保証期間などは設けていませんが、故障した時は極力無償で修理しますので、ご相談ください。でも、これまで、故障の報告は1件だけです。
 また、キットについても、ご自分で組み立てて不具合などありましたら、遠慮なくご相談ください。

Q4 特殊用途などの希望に製作依頼は可能ですか?
 少し工夫すればできるものについては、可能な範囲で対応します。

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