このページでは、FanduinoX Rev1.2の製作方法を順に説明していきます。
プリント基板の入手
製作にあたってプリント基板は入手済みであることを前提としています。作者から実費で入手するか、ダウンロードページのX Rev1.2 KiCadデータ内に”Gerber1.2″というフォルダがありますので、プリント基板製造サイト(私はFusionPCBを利用しました)で製造を依頼できます。製造の場合、入手までに2~3週間必要で、価格は20枚で送料込み1万円程度(約500円/枚)です。もちろん、1枚でも発注できますが、単価は高くなります。
プリント基板に関する詳細は、遠慮なく作者までお問い合わせください。
部品の入手
標準仕様の部品
FanduinoX Rev1.2製作に必要な部品は、部品表をご覧ください。今回、プリント基板以外の部品は、入手時の送料を極力抑えるため、秋月電子と千石電商の2社のみから購入可能な部品としています。部品表に必要個数とリンク先を記入しておきましたので、参考にしてください。
上記写真は標準仕様の製作に必要な部品で、右の皿の上の方にあるのがマイクロコントローラとして使うESP32DevKitCです。
左下にはサーミスタ温度センサ製作用の部品があります。4線のコネクタ付きケーブルをばらして、サーミスタ(フイルム状のもの)にハンダ付けすれば、難しいコネクタの加工を省略できます。ただし、ハンダ付け個所を熱収縮チューブで絶縁するため、ヒートガンが必要です。(ライターであぶってもできますが、燃える危険があります)
オプション仕様の部品
FanduinoX Rev1.2は、オプションで非接触温度センサーを接続できるようにしてあります。
非接触温度センサーは、下記の3種類から任意のものを使用できます。
左から、
Thp1 10TP583T 単一温度測定用(シングル温度センサー)
Thp2 MLX90614 単一温度測定用(シングル温度センサー)
Thp3 AMG8833 平面温度測定用(8x8アレイ温度センサー)
で、いずれもサーモパイルという素子を利用しています。
Thp1 10TP583T の利用
10TP583Tを使用するには、微弱な電圧信号を増幅する必要があるので、左記のような部品が必要になります。
右上から左下へ、ICソケット(8pin)、計装アンプINA126、抵抗、ピンヘッダ(L型2×2)、積層セラミックコンデンサおよびシャントレギュレータTL431です。
このほかに、10TP583Tを接続するためのケーブルとコネクタが必要ですが、説明は別ページにありますのでここでは省略します。
各部品は比較的安いので、全部合わせても千円程度ですが、コネクタ・ケーブル加工の難易度が高いです。
Thp2/Thp3 MLX90614/AMG8833 の利用
MLX90614/AMG8833計測温度をデジタル変換してI2C規格にて伝送しますので、基板側に必要な部品は左記のピンヘッダ(L型4×2)のみです。
後は、センサーにコネクタ付きの線をハンダ付けするだけですが、センサーそのものが高価です。
必要工具類
製作費必要な工具は、右上から左下へ、ハンダ、ハンダごて、マスキングテープ、作業手袋、ラジオペンチ、ニッパー、ピンセット、ドライバー、ワイヤーストリッパー、コネクタプライヤー、ヒートガンです。
マスキングテープは、部品を一時的に固定するのに重宝します。
作業手袋は、やけど防止のため左手用のみ使います。(右利きの場合)
コネクタプライヤーは、ピンヘッダに挿すコネクタの端子加工に使いますが、標準仕様では不要です。
ヒートガン、ワイヤーストリッパーは、ライター、カッターナイフで代用可能ですが、自己責任でお願いします。
製作
ESP32DevKitCのピン短縮
最初に、ESP32DevKitCのピンが長すぎるので、3mm程度に切り揃えておきます。
抵抗の取付け
次に、背の低い部品から順にハンダ付けしていきます。まず、抵抗からです。
抵抗は、カラーコードで抵抗値を見分けるようになっていますが、同じ抵抗値のものは左右をそろえた方が丁寧できれいに見えます。(極性はありません)
ダイオード・コンデンサの取付け
抵抗の次は、ショットキーバリアダイオードと電解コンデンサを取り付けます。
どちらも極性がありますので気を付けてください。ダイオード・コンデンサ各8本の内、ファンコネクタ付近の各7本は同じ向きですが、ESP32DevKitC付近の各1本は反対向きに取付けます。写真を拡大してご確認ください。
MOS-FETの取付け
MOS-FETは、最終段でファンへの電流出力用の2SJ527(生産終了の2SJ681も使用可)、およびそのゲート回路用の2N7000を各6本取付けます。
どちらも極性がありますので、写真を拡大して確認してください。
また、写真ではESP32DevKitCのピンソケットも取り付けてあります。
なお、2N7000のランド(ハンダを盛るところ)間隔が写真のとおり非常に狭いため、短絡のおそれがあります。
ハンダ付け時にはハンダ量を少なめにして、ブリッジができないようにご注意ください。(ハンダ付け後にテスターで確認するとベター)
インダクタ・コネクタ他の取付け
インダクタ(コイル)、ファンコネクタ、電源コネクタ、ピンヘッダ(L型 4×2)およびポリスイッチを取付けます。
インダクタ・ポリスイッチには極性はありません。
インダクタ、ファンコネクタ、ピンヘッダは抜けやすく、安易にハンダ付けすると基板から浮いてしまい、直せなくなります。
マスキングテープで固定後、足1本だけハンダ付けで仮止めし、浮きがないように修正してから残りの足をハンダ付けします。(写真「コネクタ等の取付け方」参照)
最後に、ESP32DevKitCをソケットに挿して完成です。