
動画をご覧ください
http://www.youtube.com/watch?v=EtarT2JsxPg&fmt=22
4チャンネルのサーミスタ温度計で6チャンネルのファンを制御する、電圧制御方式のデジタルファンコンです。
Rev6.0の概要はRev5.0までとほとんど同じですが、特徴は、
- ファンは6チャンネルが独立して制御できるようにした。(ただし温度計は4チャンネル)
- 4ピンPWM制御ファンを1台接続できるようにした。(PWM制御と電圧可変制御はジャンパで選択)
- USB制御機能を持つAVR ATmega32U4を採用したため、USBチップ(FT232RL)が不要になった。
- LCD/VFDモジュールを直接接続できるようにした。
- 5インチベイモニタを製作しやすいように、基板幅を5インチベイサイズに合わせ、ケース固定用の突起を設けた。
- 基板面積を抑えるため、表面実装部品をできるだけ利用した。
などです。
作者の自作PC用に製作しましたが、基板単価を下げるためPCBを余分に発注し、ご希望の方にキットとして実費相当でお分けしていました。現在は在庫がありません。
動作概要
マイクロコントローラICのAVR ATmega32U4が温度を測定し、設定パラメータに従ってファン制御用パルスをPWMで出力します。このPWM信号を12Vに増幅後、平滑回路を通して直流化しファンへ供給します。出力電圧が温度によって4V程度から12Vまで変わることにより、ファンの回転を制御しています。また、ファンからの回転パルスにより回転数を計測します。
ATmega32U4はUSB機能を内蔵しているので、PCとUSBで接続することにより、温度、回転数などをPCに報告し、PC側のモニタソフトFanduinaV3でモニタすることができます。(モニタしないときは、FanduinaV3を起動しておく必要はありません)
AVR-Fanconの設定パラメータは温度と回転数(正確にはPWM出力のduty値)との関係を表すもので、必要に応じてFanduinaV3を使用して変更することができます。
製作概要
使用方法
(1)モニタソフトとドライバのダウンロード、インストール
ダウンロードページからモニタソフトFanduinaV3をダウンロードし、解凍してください。
FanduinaV3は、フォルダを適当な場所に置き、FanduinaV3.exe(実行ファイル本体)のショートカットを作成しておいてください。
ファームF6.60以降はHID(ヒューマン・インターフェース・デバイス)版ですので、ドライバのインストールは不要です。
(F6.52以前のファームウェアの場合)
ファームF6.52以前は、Rev6.0をUSBに接続するとUSBドライバを要求されます。こちらをダウンロードし、FanduinoUFO_cdc.infを指定してください。ドライバ本体はWindowsに標準で用意されているusbser.sysです。
ドライバーがインストールできたら、デバイスマネージャを開いてUSB Serial Portが登録されていることを確認します。この時、ポート番号(COM*)を覚えておいてください。

(2)Rev6.0の接続
PCの電源を完全に落とした状態で、USBケーブル、温度センサー、電源(ペリフェラル用の5V、12V 4ピンコネクタ)、ファンを接続します。
PCを起動すると、最初の3秒ほどはファンが全速回転し、その後は温度センサーの計測温度に応じてファンを制御します。
ドライバがインストールされていなければ、Windows起動後にドライバを要求されますので、上記(1)のようにインストールしてください。
(3)FanduinaV3の起動とRev6.0の接続
Rev6.0は自律的に動作しますので、表示・設定・監視の必要がなければ、FanduinaV3を起動しておく必要はありません。
Rev6.0の動作情報(温度、回転数)をモニタするには、FanduinaV3を起動し、接続ダイアログFanduinoConnectから接続ポートを設定してください。接続ポートは、ファームF6.60以降(HID版)ではHID0を選択、F6.52以前(COMポート版)の場合は上記(1)で調べたポート番号を選択し、接続ボタンをクリックします。

(4)制御パラメータの変更
Rev6.0は、6chのファンの制御パラメータを個別に設定できます。
FanduinaV3を起動し、FanduinaSettingsのパラメータ書込タブから設定してください。

制御パラメータの意味は以下のとおりです。
- 温度がTmin以下では制御出力がDmin(%)となり、Tmax以上でDmaxになります。
- TminからTmaxの間ではリニアに変化します。
- TstopはFanを停止する温度で、温度がTstopまで低下するとFanが停止し、Tmin以上になるとFanが再起動します。(低温時Fan停止機能と呼んでいます)
- Thm#は、Fanを制御するサーミスタ(温度計)の番号(1~4)です。重複設定も可能で、例えば4つのThm#を全て1にするとサーミスタ1の温度で全てのFanを制御できます。
- パラメータ書込タブでは、温度計やファンの名称も設定できます。
以上で、AVR-FanconRev6.0 FanduinoUFOが使えるようになりました。
(参考1)5インチベイLCDモニタの製作
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3mm厚の透明アクリル板(41mm×300mmサイズ)を折り曲げてケースを作り、2mm厚の透明アクリル板(41mm×148mmサイズ)を塗装してフロントパネルにしてあります。
LCDは秋月の16文字×2行のキャラクタ液晶SD1602VBWBに、16ピンソケットを付けてAVR-FanconRev6.0と接続します。Rev6.0側には、あらかじめL字型ピンヘッダを取り付けておきます。
Rev6.0基板は端に突起を設けてありますので、アクリルケースの側面に3mmの穴を開けておけば、はめ込んで固定できます。
(参考2)5インチベイVFDモニタの製作
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Newhaven Display社のVFDモジュール M0216SD-162SDAR2-1がDigikeyで1個3千円ほどで入手できたので、5インチベイモニタのVFD版も製作しました。
ケースはLCDモニタとほとんど同じですが、VFDモジュールがLCDよりやや大きいため、右に少しだけオフセットして取り付けています。
右の写真は、ハンダ鏝を改造して作った加熱工具で、アクリル板を折り曲げ加工しているところです。3mm厚のアクリル板にしたことで、Rev4/5用のLCD/VFDモニタに比べて結構立派に見えます。
M0216SD-162SDAR2-1の接続方式はLCDと同じパラレル(Motorola M68方式)ですが、端子配列がLCDと反対向きで、端子位置やモジュール基板形状も異なるので、LCDのようにRev6.0に直結できずコネクタケーブルを作って接続します。
(参考3)ステンレスパネル5インチベイVFDモニタの製作
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ブラックパネル (少し灰色ががっています) | シルバーパネル (ステンレスヘアラインです) | 色フィルタを掛けてみました (上:青アクリル板、下:赤下敷) |
高級感のある5インチベイモニタが欲しかったので、厚さ1.5mmのステンレス板でパネルを作ってもらいました。
ボタンも、直径5mmのステンレス製リベットを使用しています。写真だけでは分からないかも知れませんが、重厚感があります。
ただ、VFDが透明アクリルシャーシを通して直接見えてしまいますので、明るすぎる場合はアクリルシャーシとVFDの間に色フィルタを挟んだほうが良いでしょう。色フィルタには、100均で売っている色つき透明下敷を切って使うのがコスト的に良いと思いますが、好みの色は入手が難しいですね。
AVR-Fancon Rev6.0 Fanduino UFO 仕様
Fan接続可能数 | 6台 (独立制御) |
Fan最大電流 | 各500mA(6台合計では3A以下) |
Fan制御方式 | 可変電圧制御(4V程度~12V)、Fan1はジャンパピンにてPWM制御も可能(4ピンFanのみ) |
Fan停止対策 | 起動時、スリープからの復帰時、Fan停止検出時は数秒間最大回転させてFanの始動失敗・停止を防止 (停止検出のためFanは回転数センサー付が必要) |
温度センサー | サーミスタ方式(無極性2ピン)×4本 10.0kΩ at 25℃、B定数 3435K(石塚電子製サーミスタ103JTを推奨) |
USB | USB2.0×1本(ミニUSB端子) |
電源 | 12V、5V ATX4ピン (ただし、5VはUSBからも供給可能) |
最大消費電力 | 5V:100mA以下、12V:接続Fanの定格電流の合計 |
PC内設置方法 | PCIスロット、PCIe×16スロットに挿入して固定。ケースを製作し5インチベイに設置も可能 |
対応OS | 特になし(モニタソフトFanduinaV3はWindowsXP/Vista/7/8/10に対応) |
その他特徴 | USBからAVRマイコンのファームウェア書換が可能。 駆動回路はPWMであるため使用素子の発熱が少ない。 LCD/VFDモジュールの直接接続、駆動が可能。 |