Rev4.0 Fanduino

 4チャンネルのサーミスタ温度計で6チャンネルのファンを制御する、電圧制御方式のデジタルファンコンです。

動作概要

 Rev4.0の動作概要はRev3.0とほとんど同じで、以下のとおりです。

 マイクロコントローラICのAVR ATmega88(またはATmega168)が温度を測定し、設定パラメータに従ってファン制御用パルスをPWMで出力します。このPWM信号を12Vに増幅後、平滑回路を通して直流化しファンへ供給します。出力電圧が温度によって4V程度から12Vまで変わることにより、ファンの回転を制御しています。また、ファンからの回転パルスにより回転数を計測します。
 PCとUSBで接続することにより、温度、回転数などをPCに報告し、PC側のモニタソフトFanduinaV3でモニタすることができます。(モニタしないときは、FanduinaV3を起動しておく必要はありません)
 AVR-Fanconの設定パラメータは温度と回転数(正確にはPWM出力のduty値)との関係を表すもので、必要に応じてFanduinaV3を使用して変更することができます。

 Rev3.0からの主要変更点は、

  • 基板形状を変更し、PCIブラケットが付けられる。
  • USBから直接ファーム書換ができる。(FanduinaV2.1以降を使用)

の2点です。
 PCIブラケットは、外注するととても高い(2台分で1万円ほど、たくさん作っても安くならないんだそうで)ので、I社LANカード(ETX-PCI)のものを利用しています。LAN基板が無駄になりますが千円以下で手に入ります。
 なお、6chファンコンといっても、AVR ATmega88のPWM出力の制約で独立して制御できるのは4chしかありません。(mega88のPWM機能は6chありますが、2ch分はタイマーに使用するため)
 このため、上の写真のファンコネクタで、左から3番目と4番目、5番目と6番目はそれぞれ同じPWMのチャンネルとなっています。

 作者の自作PC用に製作しましたが、基板単価を下げるためPCBを余分に発注し、ご希望の方にキットとして実費相当でお分けしていました。現在は在庫がありません。

製作概要

部品一式
左の写真は部品一揃いです。 普段あまり使わないか、入手が難しい部品としては、
 FT232RL(USBチップ):基板上に付いてます
 ATmega88(AVR):基板の下の28pinのIC
 電源コネクタ:白くて大きめのコネクタ
 コイル:青いやつ  FET:コイルの下にある3本足
 ポリスイッチorエバーヒューズ:右端の黄土色
 ショットキーバリアダイオード:右下
ネットで探せばありますが、全てが揃う店はないようです。
FT232RL取付後
 製作は、最初に表面実装のFT232RLを半田付けし、次に背の低いものから付けていきます。FT232RLは、足の間隔が0.65mmしかないため、高度なテクニックが必要です。キットには最初から付けてあります。
背の低い部品取付後
 基板にはシルク印刷があるので、部品配置に困ることはありませんが、ショットキーバリアダイオード、集合抵抗、電解コンデンサ、LED、MOS-FETおよびトランジスタは、極性に注意が必要です。極性はシルク印刷を注意深く見るとわかります。
全部品取付後
 全ての部品を取付けるのに、習熟度にもよりますが2時間程度はかかります。
 Rev4.0は内部USB端子を装備していますので、特に困らなければPCIブラケットがなくても使えます。あったほうが安定しますが。
 また、USB端子は2つありますが、排他使用です。同時に使うとPCが壊れるかも知れません

AVR-Fancon Rev4.0 Fanduino仕様

Fan接続可能数6台 (Fan3とFan3-2、Fan4とFan4-2は連動) 
Fan最大電流各500mA(6台合計では2.5A以下を推奨)
Fan制御方式可変電圧制御(4V程度~12V)
、Fan1はジャンパピンにてPWM制御も可能(4ピンFanのみ)
Fan停止対策起動時、スリープからの復帰時、Fan停止検出時は数秒間最大回転させてFanの始動失敗・停止を防止 (停止検出のためFanは3ピン回転数センサー付が必要)
温度センサーサーミスタ方式(無極性2ピン)×4本 10.0kΩ at 25℃、B定数 3435K(石塚電子製サーミスタ103JTを推奨)
USBUSB2.0×1本(コネクタは2本あるが同時接続は不可)
電源12V、5V ATX4ピン (ただし、5VはUSBからも供給可能)
最大消費電力5V:100mA以下、12V:接続Fanの定格電流の合計
PC内設置方法PCIスロット、PCIe×16スロットに挿入して固定
対応OS特になし(モニタソフトFanduinaV3はWindowsXP/Vista/7/8/10に対応)
その他特徴USBからAVRマイコンのファームウェア書換が可能
駆動回路はPWMであるため使用素子の発熱が少ない
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